ファンタジーが生まれるとき―『魔女の宅急便』とわたし
おもしろい、読ませたい! |
もう、本当に『魔女の宅急便』の作者だ!と思いました。文章が上手くて、おもしろくて、どんどん読み進めてしまう。
特に、魔女の宅急便が生まれる時の話、名前に対するこだわりを語った話はドキドキしてしまいました。
「キキ」という名前はこうやって生まれたんだ、と思うと感激してしまうし、名前へのこだわりを小学生のときの
思い出から語っている場面では、ああ、この人は子どもの気持ちがわかる人なんだ、と思いました。
『魔女の宅急便』の原作を本屋で立ち読みしたとき、2巻、3巻と次から次へと読み進めたときと同じ感覚です。
ところどころに散りばめられている比ゆがとても生き生きしていて楽しいです。
塾や家庭教師をやっている生徒にも是非読ませたい、と思いました。これならば文章もかんたんで物語文でないながらも
楽しめますし、内容も表現も素晴らしいです。思い出してレビューを書きながらもテンションがあがってしまいます。
親子で読める本ですし、大人が読んでも、『赤毛のアン』を始めて読んだときのような感覚になれる気がします。
昔のジブリ作品が好きな私はこの本を読んで即ビデオを見返してしまいました。
自分探しを綴った自伝 |
スタジオジブリの映画「魔女の宅急便」の原作者として知られる角野栄子女史。この角野さんが、「物語を書く」という本当に自分がやりたかったことにめぐりあうまでの自分探しを語った本である。
今の自分がやっていることは、本当に自分がやりたいことではないのではないかという思いにとらわれながら、生きている人は世の中にたくさんいるのではないだろうか。角野さんも、書くことにめぐりあうまで、さまざまな経験を重ねる。
幼少での母との死別、優しい父、新婚後のブラジルへの移民、ブラジルまでの船旅、ブラジルでの生活、日本への帰国、子育て。やがてそれらの経験は直接・間接に、作品の中に活かされていく。人生に無駄なことなんてひとつもないんだと改めて感じさせてもらった。
ジュニア新書が対象とする自分の未来を考える中高生はもちろん、その父親・母親の世代にとっても、自分の人生を見つめなおす意味で、読む価値があると思う。(ちなみに私は、中高生の子供を持つ父親です)
『魔女』の作者の歩み |
幼い頃の母との死別、父親の「ユニークな」読み聞かせ
「無謀」な(?)ブラジル滞在とあるブラジル少年、
そして海外の有名な児童文学作家との接触、などなど。
角野栄子さんが児童文学作家になるまでの道程が語られています。
有名な『魔女の宅急便』ですが、
この作品は角野栄子さんの娘さんの
一枚の「現代的な」魔女から生まれたことが
述べられています。
また角野さんは物語に登場する人物・生物たちに
名前を付けてからでないと書けないと述べておられます。
角野さんの物語に対する愛情が伝わってきます。
角野栄子先生の素顔にふれる本。 |
「おばけのアッチ、コッチ、ソッチ」シリーズや、アニメ映画にもなって大ヒットした作品、ご存知「魔女の宅急便」の原作者であり、翻訳家としても大活躍なさっている児童文学作家、角野栄子先生の自叙伝的な小説です。角野先生の生まれた時の生い立ちや、幼い頃どんな風に育ったのか、ブラジルへ2年間滞在したときに体感した面白話や作家として活躍するに至るまでのサクセス・ストーリーを垣間見る事が出来る本です。本を読んでいると、「エーッ、角野先生ってこんな人だったの!!」とか「あのお話はこういう風にして生まれて出来上がったんだ〜。」なーんて驚いてしまうこともしばしば。角野先生が日々どんな思いで作品を作っていらっしゃるか、ファンタジーの不思議な世界がどうやって生まれてくるのかがとても良く解る本です。この本を読んだ後に「魔女の宅急便」などの作品を読み返してみると、また新たな発見とオドロキがあるかもしれませんよ☆角野栄子先生のFANの方ならモチロンのこと、ファンタジーが好きな方、お話を読み聞かせるお母さん、作家を目指している人、文学の好きな人、いろんな人にお勧めしたい一冊です。