風の谷のナウシカ 2 (2)
ここからが本番 |
映画のみ見られた方はこの巻のとちゅうまではなんとかわかるかと思います。僕もそうでした。
でも物語はなんといってもここからが見ごたえがあるのです。ついにナウシカが本格的な出陣をします。
一方、ユパはケチャやアスベルに救われますが、皇弟の介入により、万事休すかと思われるが、僧正が命をもって助けられます。そして、ユパとケチャとアスベルによる旅が始まります。
さぁ彼らの旅はどこでどう交わっていくのでしょうか。始まり始まり。
ナウシカの長い旅の始まり |
弟1巻では、自分の持つ力、族長の娘としての責任感、蟲たちへの愛情などのはざまで悩み、揺れ動いていたナウシカ。この巻でははっきりとした使命を定めて行動し始めたように見える。闘いの中で成長したのだ。
映画版のストーリーの骨格はほとんどこの巻に描かれている。トルメキア軍への反撃のため、土鬼軍は人工的に培養した王蟲の子どもを使う。怒った王蟲たちは大群となってクシャナの軍を襲う。
王蟲の攻撃をなんとか食い止めたナウシカは、クシャナとともに腐海を南下して、土鬼とトルメキア軍の最前線へと向かう。腐海と大海しょうの謎を解くために。苦しく長い旅の幕開けだが、まっすぐに行く末を見定めるナウシカの目が美しい。
ナウシカはこの巻あたりからが本番です! |
映画しか見てない方、ぜひ原作にもトライしてみて下さい。全く違った魅力があります。
映画のストーリーは大体この二巻の前半あたりまでをまとめたもので、以後原作のストーリーは完全に映画から離れて展開します。一巻では本業でない漫画にやや手間取ってギクシャクした印象のある筆致がこのあたりから安定し、少し読みやすくなるはずです。
自分の意志で故郷を離れ、異国へ足を踏み入れるナウシカの旅も、この巻から始まります。
人間の愚かさ |
未だに新鮮に感じるのは、きっと人間の愚かさはちっとも変わっていなくて、宮崎駿が描く世界がちっとも絵空事でなくて、むしろ現実味が増しているからでしょう。そんな悲観的になりそうな中、宮崎駿が希望を描いているのは、未だ今からなら軌道修正が出来ることを信じているからでしょうか。それとも、人間は愚かで、行くところまで行かないとわからないのでしょうか。