スタジオジブリ専門ショップ

   アレグサンダー・ケイの小説『残された人々』をベースに1978年にNHKで放送された、宮崎駿が初の演出を手がけたアニメーション。人類が滅亡の危機を乗り越え20年。少年コナンが少女ラナと出会い、彼女を狙うインダストリアを敵に回して活躍するSF冒険活劇の傑作。    第6巻では第19話「大津波」から第22話「救出」までを収録。帰路を断たれたインダストリア兵はハイハーバーの一員となるが、コナンとラナ、ジムシー、ダイスはモンスリーとともに再びインダストリアへ。独裁者となったレプカと最後の闘いが始まる。本巻収録エピソードに限らず、本作ではかつて敵対していたキャラクターがコナンと出会うことで浄化し、明るいキャラクターへと変貌していく様が度々描かれ、そこが何よりも感動的かつ特徴的。（田中 元）

作品の面白さは言うに及ばず、とにかくＤＶＤ黎明期に発売されたこの作品のＤＶＤＢＯＸとの段違いの画質の良さに全巻買いなおしました。ＢＯＸを購入されている方も是非一度見てみて下さい。驚きますよ。

戦闘艦ガン・シップを失ってもなおハイ・ハーバー占領を続けようとする
モンスリー。
でも、大戦争前に体験した、犬とのふれあいを思い出して、モンスリーの
本来の優しさが出てきます。
抗争中に突然襲ってきた大津波。
コナンは、船のマストの上に登って、島の人やモンスリーに、津波の
到来を告げます。
もとからコナンの力量に一目置いていたモンスリー。
「（津波が来るって、）本当なのね。」とコナンを信じて
高台に避難します。
コナンとモンスリー＾が信頼のきずなで結ばれた時でした。
津波の猛威に、戦意を喪失したモンスリーとインダストリアの兵士たち。
村の皆によって、インダストリア兵は麦刈りをします。
でも、ラナの祖父ラオ博士が危ないと知り、コナンとラナは
!ンダストリアへ行かざるを得ないのでした。
新たな戦いの始まりです。

コナンたちが暮らすハイハーバーに、大津波がやってきます。
それまでインダストリアからやってきた敵と戦っていたハイハーバーの人たち。
あまりの自然の脅威に戦意を無くすインダストリア兵。
人と人との戦いなんて自然の脅威に比べれば些細なこと、人間同士、助け合って生きていかなければならないのだ
というメッセージが読み取れます。
第２話でおじいが「人は一人で生きてはならぬのだ」というコトバのとおり、敵同士ですら助け合い島の復興を始めます。
「ラナのおじいさんも助けなきゃ」
人々を傷つけず「みんな助けよう」とするコナンに、これ以上ない、心強い味方がつきます。
宮崎駿の冒険活劇のルーツ、第６段。おすすめです。

　本作のヒロイン・ラナを演じたのは信沢三恵子（のぶさわ・みえこ）。
　宮崎・高畑作品へは、すでに76年『母をたずねて三千里』のヒロイン・フィオリーナ役で出演している。フィオリーナは、いかにも高畑勲好みの、イタリアのネオ・リアリズム映画的な堪え忍ぶヒロインであった。ラナも基本的には同じ系統のキャラ造形がなされているが、宮崎駿の趣味が色濃く投影されて、賢くて健気、そして強い。信沢氏の演技は時に愚直なほどで、ラナというキャラクターをよく表現している。
　この時期、信沢氏はなかなかの売れっ子で、『無敵鋼人ダイターン３』の敵ボス・コロス役や、『野球狂の詩』の水原勇気役（木之内みどりに継いでの２代目）などを演じている。のちには『魔女の宅急便』で、主人公・キキの母親・コキリを演じた。またＮＨＫ作品では、人形劇『ネコジャラ市の11人』などにも出演した経歴がある。

自分が小学生の時分に夢中になって見た作品を、自分の子供達と一緒になって楽しめるとは思いませんでした。今になって見ても、まったく古さを感じさせません。又、個々のキャラのいきいきとした個性、宮崎アニメの真骨頂である『暴力』ではない『アクション』、隅々までの細かな描き込み。見始めたら止まらなく、一気に見てしまいました。この様な素晴しい作品をD.V.D.で発売してくれたメーカーさんに拍手です。