未来少年コナン 7
アレグサンダー・ケイの小説『残された人々』をベースに1978年にNHKで放送された、宮崎駿が初の演出を手がけたアニメーション。人類が滅亡の危機を乗り越え20年。少年コナンが少女ラナと出会い、彼女を狙うインダストリアを敵に回して活躍するSF冒険活劇の傑作。 最終第7巻では第23話「太陽塔」から最終回第26話「大団円」までを収録。インダストリアの地下住民の力も借りてコナンたちは三角塔を占拠。太陽エネルギーも復活するが、それに乗じてレプカはついにギガントを飛ばす。これまでのエピソードで登場したあらゆる要素が作用して、奇跡的といえるほどにすべてが完璧に収束する完結編。ラオ博士の最後の言葉に表現されているように、本作はまさしく次世代へのメッセージといっていいだろう。(田中 元)
こっちの「コナン」が本物じゃあ |
先日「コナン」の話をしていたら、何か噛み合わない。
相手は別のコナンのことと思っていたらしい。
しかし、私にとっての「コナン」はこれしかない。
最初の放送当時我が家では裏番組の「ぴったしカンカン」を見ていて知らなかったが、その後の夕方の再放送でたまたまこのDVDに入っている「ギガント」を見てビックリ。
宮崎駿という名前を覚えたのだった。
これぞ連続アニメの最高傑作。
こっちの「コナン」が本物じゃあ!
泣きました |
今でこそ知らない人のいない宮崎駿ですが、その名前を世に知らしめたのがこの作品です。NHKの平日7:30と言うおよそアニメをやるとは思えない枠で放送されながら、日本中のアニメファンを虜にしました。
中でもこの7巻に収められてる4作は、NHKの本放送で泣き、再放送で泣き、TV東京での再々放送の時には、電気店のテレビの前で泣いてしましました。
宮崎アニメの最高峰は、もののけでも千尋でもなく、この作品だと私は思います。
この作品を見たことなくて、ナウシカやラピュタ、魔女の宅急便が好きな方は、決して高くない買い物だと思います。
最近の作品、もののけや千尋とは少し雰囲気が違います。
アニメの最高傑作 |
「未来少年コナン」は、TV放映されたにもかかわらす、ストーリーに連続性がある。しかし一話一話は独立した面白さを持っている.配役も野生児コナン、健気で強いラナ、コナンの親友ジムシー、船長ダイス、はじめインダスとリア側、後コナンに影響されてハイハーバーにつくモンスリー、悪役レプカと性格が多用なキャラクターを配置して、ストーリーの展開に各人がなくてはならない存在となっている。これこそ宮崎アニメの最高作といえる。放映時期の点でこの作品を知らない人が多いが、このアニメを観た人は、知らない人に
宮崎氏にこんな素晴らしい作品があったと紹介することが良いのではないでしょうか。
大団円 |
これまでの物語でのオールスターキャスト総出演。
そして冒険活劇としての最大の見せ場。
複雑に入り組んだ設定や伏線がすべて、この最終巻で一つになります。
三角塔はなぜ三角なのか。
人類を滅ぼすような兵器とは何か。
サルベージ船はどうなったのか。
人の未来は。
コナンとラナ、ジムシー、ダイス船長はどうなるのか...etc.
ここまでの話を見ている人は「このアニメの主人公は誰」と聞かれたら「全員」といいたくなるでしょう。
これほど見事な「めでたしめでたし」は、この物語以降でも少ないと思います。
まさに宮崎駿の演出、面目躍如です。
文句なし。おすすめです。
『未来少年コナン』の基礎知識 その7 |
本作は、1980年代にビデオ化されたのを最初に、何度もソフト化されてきた。DVDとしてのリリースも、実は2度目である。
前回のバージョンでは全5巻の構成で、1〜4巻にはそれぞれ6話ずつが収録され、最終巻には25話と26話の2話のみが収められていた。ビデオやレーザーディスクでは7巻構成で、1巻につき4話ずつの収録を基本とし、最終巻はやはり2話のみ収録であった。
今回のバージョンでは、最終巻に4話が入っており、クライマックスを連続して鑑賞することが可能となった。これは嬉しい変更点である。いままでのソフトでは、コナンたちが最終決戦に突入し、さあこれから、というところでディスクなりテープなりを交換しなければならなかったのだ。
欲を言えば、全5巻構成で、1巻あたり5話ずつ収録、最終巻のみ6話というのがベストではないかと思う。とくに本作の場合、序盤の何話かは作画が荒れている(ラナちゃんも、いまいち可愛くない)ため、今回のバージョンのような構成にすると、続きを買ってもらえない可能性もあるかも知れない。……そんなことないとは思いますがね。
いずれにせよ、本作は、日本のテレビアニメの中でも最高峰をきわめた作品のひとつである。できうるならば毎週一回、時間を決めて、1話ずつ見て欲しい。とくに、お子さんにはそうして欲しい。あなたの人生の宝物になる。必ず、なる。