火垂るの墓 スタジオジブリ絵コンテ全集〈4〉
お涙頂戴作品ではない! |
10代の頃はただ「かわいそう」という視点だけで涙していた「火垂るの墓」。しかし20代になって、この作品が多くの人の涙を誘う理由のひとつに「キャラクターの動き」があるのではないかと思うようになり、この絵コンテ集を購入しました。
この本には、節子の子供らしいしぐさや清太のキビキビした行動など、細かい演技指導(?)が秒単位で丁寧に描き込まれています。
これらを観ていると、この作品が決してお涙頂戴的な演出で出来上がっているのではなく、的確な人物描写の積み重ねで出来ている事が分かります。
ストーリーを客観的に見ると、この兄妹はまだ他の選択ができたんじゃないかと思うところもありますが、それでも引き込まれるのはやはりキャラのリアルな動きがあってこそのものでしょう。
ちなみにこの絵コンテ集には、本編でカットされてしまったシーンもきちんと描かれています。とにかく丁寧な絵なので、セル画でなくても問題なく見る事ができますよ。