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母をたずねて三千里(8)

母をたずねて三千里(8) 人気ランキング : 22,701位
定価 : ¥ 3,990
販売元 : バンダイビジュアル
発売日 : 1999-05-25
発送可能時期 : 通常2〜3日以内に発送
価格 : ¥ 3,990

   主人公はイタリアのジェノバに住む少年マルコ。アルゼンチンに出稼ぎに行った母親から音信が途絶えたのを不安に思ったマルコは一人、母親に会うための旅に出る…。1976年放送、日本アニメーション制作の「世界名作劇場」としては2作目。監督が高畑勲、画面設定・レイアウトとして宮崎駿という、後の「ジブリ組」がスタッフとして参加していたことでも有名な作品である。原作はエドモンド・デ・アミーチス。
   マルコはいろいろな人に出会いながら成長し、そして出会った人にも影響を与えていく。マルコが最初に乗り込んだ船、フォルゴーレ号の乗組員たちとの間に芽生える信頼、お金を無くし途方にくれるマルコを救う旅芸人ペッピーノ一座の人情家ぶり、居酒屋「イタリアの星」で受ける多くの善意、そしてインディオの少年パブロとの友情…。どのエピソードもよくできていて、どこから見てもじんわりと心が熱くなる。
   主人公がどちらかと言えば悲観的で、後期シリーズに多い「持ち前の明るさで苦境を切り開いていくタイプ」でないのは面白い。ちょっぴり暗めだが、ただひたすらに正直で、働き者で、信じたことにはまっすぐ。そんなキャラクターが魅力的な時代だったのかもしれない。
   蛇足ながら、マルコとともに旅する猿のアメデオは筆舌に尽くしがたいほどの愛らしさ。「世界名作劇場」シリーズ中には多くのマスコット的動物がいたが、愛嬌という面ではこのアメデオがピカイチではあるまいか。(安川正吾)

雪が降る

このディスクの最初のタイトルは、「雪が降る」です。
「母をたずねて三千里」は長い長い物語で、一話30分のお話が何十話とあるのですが、その中でもこの「雪が降る」は、個人的に一番印象深い物語です。全てのお話について語りつくすのは無理なので、ここではこの一話のみ取り出してレビューしてみます。
話の筋は単純で、ブエノスアイレスを出て10日目。バイアブランカへの途上にあるマルコとペッピーノ一座の馬車は、行けども行けども終わらない草の海の中にあって次第にストレスを溜めてゆき、途中色んなアクシデントがあって、最後に雪の降る寒い夜に一軒のガウチョの家を見つけます。寒さと疲労で命の危険すらあるなか、彼らは一人のガウチョに助けを求めます。
なんでもない、ただそれだけのお話なのに、燻し銀のような静かな感動がありました。最後にガウチョのお爺さんがギターを弾いて聴かせてくれるシーンにも感銘を受けました。
座長のペッピーノさんは「牛や馬に聴かせる音楽を、この私がまともに聴いていられるか」と思って馬鹿にしていましたが、いざ演奏が始まってみると、それは見事な演奏で、「ガウチョか。牛や馬を追うだけの牧童が、こんな素晴らしい音楽をやるとは・・・」と思い直します。一同はその音楽のお陰で、その日の疲れを全て癒されます。
特別なイベントがあるわけでもないこのお話が、これほど私の記憶に残ったのは、表面だけでは知ることのできない、人の心の微妙な趣きや事情が見事に描き出されているからだと思います。

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