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「もののけ姫」はこうして生まれた。

「もののけ姫」はこうして生まれた。 人気ランキング : 208,061位
定価 : ¥ 1,995
販売元 : 徳間書店
発売日 : 1998-10
発送可能時期 : 通常4〜6週間以内に発送
価格 : ¥ 1,995
にじり寄り!!! にじり寄り!!!

 私が『もののけ姫』を観たのは中学生の頃(もちろん公開時に――三回も!!!)で、とても面白い映画だと思ったのと同時に、スタジオ・ジブリのホームページ上に連載されていた日記を読んで、ああジブリってのは何て楽しそうな職場なんだろう、絵を描く能力があれば自分もここで働いてみたいなどと安易に夢見ていたのですか、この本を読んでみると、幻想が崩れたとまではいわないまでも、(アニメーション)映画を作ることのあまりの過酷さ、宮崎監督の恐ろしさ――生まれついての性格などではなくて、映画を作ることに付随する宿命的な凶暴性が顔をのぞかせるだけだと思いますが――がこちらにこれでもかというくらい伝わってきて、ああやっぱり楽な仕事ってのはないんだなあと、非常にまっとうな結論を得て読み終わったのですが、もちろんこれはそんな説教臭い目的のために書かれた書物などではなく、あの『もののけ姫』がいかにして作られたかを追ったドキュメンタリーであり、――それにしては作者の浦谷さんの意見が表に出すぎているのではないかと思いもするけれども――映画を作る過程での貴重な出来事が本の中で次々と起こってゆくのは、読んでいて爽快感さえ覚えるほどで、始めたら一気に読了してしまうことは請け合いで、そして何よりも圧巻なのは387頁から始まる宮崎監督と美輪明宏さんとの――あるところは深く、またあるところは非常に卑俗な――犬神モロの母性、サンや乙事主に対する憐憫、乙事主との過去の関係がほのめかされるやりとりで、ここを読むだけでもこの本を買う価値はあると断言します。
 でも読み終わった後の感想は、宮崎駿は恐い人である事が分かった、ということになるでしょうか。

ビデオ(DVD)と合わせて見ないと辛いかも。。。

『もののけ姫』のメイキングのドキュメンタリーとして、テレビで放映され、後にビデオ(更にDVD)で約6時間の作品としてリリースされた同名番組の制作者である著者による「『もののけ姫』の製作過程を一年半にわたって見つめてきた体験記」である。主にスタジオジブリにおいて『もののけ姫』制作に携わる監督とスタッフを取材した内容(ビデオとほぼ同じ内容)に加え、ドキュメンタリー制作それ自身について著者の元々の意図や取材中におけるその変化、試行錯誤を開陳する「メイキングのメイキング」としての側面もある。
元々アニメーションには疎かった著者が書いているため、専門用語やアニメーションを作る過程の説明なども丁寧で、アニメファン以外でもすんなりと入っていける。物書きを本職にしてい!人ではないが、この辺の手腕はさすがベテランのテレビ番組制作者であると思った。また、宮崎監督と著者の間には、アニメーション映画とドキュメンタリー番組という戦場こそ違えど、骨太で頑固な気質を持った「ものづくり職人」としての、うっすらとした共通点が感じられる。この二人の職人の対話としての側面も本書は持っている。
ただ、「アニメーションは動きが命」だと本書にも何度か出てくるように、動きの面白さと奥深さを伝えきるには、本だけでは役不足かもしれない。細かい動きについてのスタッフとの打ち合わせ場面などは、やはり文章とモノクロ写真だけでは正直、伝達力に辛いものがある。会話も擬態語が多いため文で読むと間延びした感じになったり、微妙なニュアンスが伝わってこなかったりする!!声優との打ち合わせ風景も同様に。これらの点から、やはりビデオを見てから、あるいは見ながら、じっくりと内容を少し深く理解するために合わせて本書を読むのがよいかもしれない。
p.s. 注意深く見ると、後に監督の近著「泥まみれの虎」に結びつくような一場面が発見できたりします。

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