幸せな時間―耳をすませば
今作との邂逅が宮崎アニメに… |
映画化もされた前作、「耳をすませば」の続編。
受験生ながら聖司とイイ感じになった雫が、現実世界と猫の図書館で体験する微笑ましくも不思議な物語です。
そもそも同じ柊先生が描いているのですから、世界観を上手に引き継いでいるのは勿論、後発の映画、「猫の恩返し」に繋がっていく設定、キャラクターの登場はジブリファンとしては嬉しい限り。
作中では前作からそれ程時間は経っていないのですが、描かれたのは6年も後になりますので、若干の絵柄の変化が見られます。しかしながらそれは寧ろ前作の体験により1つ成長して大人になった感じがして、より自然な印象を受けます。確信犯かもしれません。
残念なのはかなり短い所。1冊の内半分以上は「桔梗の咲く頃」という別の漫画です。勿論こちらも良い漫画ではあるのですが…
うん、上手く出来ているよ。 |
「耳を澄ませば」の続編。読んでよかったな、という感じ。「耳を澄ませば」の感じがよく残っていて、それが好きだった人なら、気に入ることは間違いないでしょう。一緒に入っていた話も、面白かった。思春期の恋の話。こっちもその時期独特のいい感じが出ています。基本的にそういうのが好きなら読んでよかったな、と思えることは間違いがないです。
熱望された続編。 |
中学生最後の夏休み。雫は「受験生」という立場を持て余し気味。そんな憂鬱な気分のときに、空から降ってきた不思議な羽を拾う。その本体である翼について調べる内に「猫の図書館」へと行き着く。
宮崎アニメの原作となった柊あおい先生の「耳をすませば」。年齢層の高いコアーな柊あおいファンにとっては、彼女の本領が発揮されるメルヘン&ノスタルジー満載の作品になるだろうと期待が高かった同作品でしたが、当時読者の年齢層が小学生に限定されつつあった「りぼん」本誌ではあまり人気を獲得できなかったようで、本来長期連載向きの広がりを持っていたにもかかわらず、辻褄を合わせるかのように連載4回で終わってしまったのでした(泣)。しかしっ!彼女の感性の素晴らしさを見抜いた方がいたのでしょう。宮崎アニメの原作となり、続編を期待する声も高かったようで、この第2作目「幸せな時間―耳をすませば」が世に送り出されたのでありました。宮崎アニメの浮遊感あるメルヘン世界が好きな人なら、柊ワールドにもきっと引き付けられることでしょう。